日本災害時透析医療協働支援チーム(JHAT)活動要綱

【改訂履歴】
 平成28年4月1日
  Ⅰ.会則策定
 平成28年10月19日
  Ⅱ.災害時における活動要項付加

Ⅰ.会則
(名称)
 第1条 本会は、日本災害時透析医療協働支援チームと称し、英文名をJapan Hemodialysis Assistance Team in Disaster(略称JHAT)とする。

(目的及び組織)
 第2条 本会は、災害時における透析医療の支援を主な目的とし、複数の透析医療関連団体で構成するものする。
  2 構成団体は、(公社)日本透析医会、(一社)日本腎不全看護学会、(公社)日本臨床工学技士会、(一社)日本血液浄化技術学会の4団体とする。
  3 構成団体の追加、離脱は、起案時における構成団体の合意により決定する。
  4 本会の目的に賛同する団体を協力団体とし、当該団体は、本部事務局からの要請に応じて本会各種会議への出席、支援活動に協力するものとする。

(事務局)
 第3条 本会の主たる事務局を神奈川県厚木市に置く。
  2 本会は、構成団体から派遣された事務局員の合意により、必要な地に従たる事務局を設置できる。
  3 本会に次の事務局員をおく。
   1) 事務局員は、各構成団体からの出向とする。
   2) 事務局には、事務局長1名、会計委員複数名をおく。
   3) その他、事務局員の合意により必要に応じて協力団体から出向を求めることができる。

(事業)
 第4条 本会は、前条の目的を達成するために、次の事業を行う。
  2 透析医療災害対策の普及に関すること。
  3 被災地および周辺地域の調査、情報収集に関すること。
  4 支援物資供給センターの設置および運営に関すること。
  5 透析医療支援ボランティアの派遣に関すること。
  6 透析医療施設の復旧、透析医療従事者の支援に関すること。
  7 災害時支援活動に必要な教育、研修の実施に関すること。

(運営経費等)
 第5条 本会の運営経費は、構成団体に割り当てた年会費、協力団体からの助成金、その他、本会の趣旨に賛同する者および団体の寄付をもってこれにあてる。
  2 年会費、寄付金、助成金などは、別途細則に定める。

(事業年度)
 第6条 本会の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。

(会計)
 第7条 本会の会計年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。
  2 予算案、決算報告書は、当該年度ごとに会計委員が作成する。
  3 決算報告は、会計監査役2名による監査を行う。

(会議)
 第8条 本会の円滑な運営のため事業年度ごとに複数回の事務局会議を行う。
  2 事務局会議は、事務局員で構成する。
  3 事務局会議の議長は、事務局長とする。
  4 必要に応じて協力団体に出席を要請することが出来る。

<細則>
(事務局所在地)
 本会の事務局を神奈川県厚木市下荻野1030神奈川工科大学K4号館407号室に置く。

(会運営、活動費など)
 1 本会運営費として各構成団体からの年会費30万円を徴収する。
 2 年会費は、会計年度の開始月に納入するものとする。ただし、特別の事由による会費納入の遅延は、構成団体の合意によって許可する場合はこれを妨げない。
 3 本会の運営、活動などについては、1項の他、協力団体の寄付、義援金などを充当することが出来る。

(出張旅費)
 平時における出張旅費を以下に定める。
 1 出張者による事務局への申請が認められた場合、および事務局から出張を依頼した場合は、出張旅費を支給することができる。
 2 宿泊を必要とする出張の場合は、一泊につき10,000円を限度とした宿泊費を実費支給する。
 3 交通費は、必要最低限の範囲で以下の実費を支給することができる。
  鉄道汽車賃 普通旅客運賃(新幹線、特急料金を含む。)
  航空運賃 普通旅客運賃
  船舶料金 普通旅客運賃
 4 特別な事由による出張で実態が第2項および第3項の規程から著しく相違する場合は事務局会議での承認により必要な弁償を行うことができる。
 5 出張一日あたりの日当を支給することができる。ただし、半日出張の場合は日当の半額とする。
 6 弁償金額の請求は、用件終了後、可及的速やかに所定の「交通費申請書」を事務局へ提出しなければならない。

Ⅱ.災害時における活動要項
 本項は、大規模自然災害発生時に別項に規定するJHAT隊員を被災地に派遣し、被災地のニーズに応じた柔軟な災害支援活動を実践するために、体制及び対応方法を定めるものである。JHAT隊員派遣の際には、災害の規模等に応じてレベル1,2,3に区分し、レベルごとに定められた方法でJHAT本部が派遣調整を行う。災害時には、より効果的な支援活動を実践するため、JHAT隊員との連携の方法を明確にし、災害時支援体制を整備しておく。

1.災害時支援の対応区分
 本部事務局は、各レベルに応じた活動宣言を発出する。

1) レベル1(情報収集対応)
 (1) JHAT隊員、情報コーディネーターおよびJHAT本部要員などによる被災地の情報収集が必要な場合。
 (2) 震度5強以上の地震、風水害及び噴火などの自然災害において、施設被災が想定される場合。
 ※情報の収集は、日本透析医会災害時情報ネットワーク集計専用ページ(以下、医会集計ページ)及び日本透析医会災害時情報ネットワークメーリーングリスト(以下、医会joho-ML)を中心に情報収集と情報発信を行う。その他、必要に応じてSNSを組み合わせるなどの柔軟な対応を行う。

2) レベル2(近隣支援対応)
 JHAT本部、被災地および近隣都道府県のJHAT隊員のみで災害時の活動が可能な場合をレベル2とする。レベル2においては、本部事務局の指示により、近隣都道府県のJHAT隊員を先遣隊として派遣し、以降の活動方針を決定するために被災地の状況を本部に伝える。

3) レベル3広域支援対応)
 被災都道府県及び近隣都道府県のみでは災害時の支援活動が困難又は不十分で、支援活動が長期化すると見込まれる場合をレベル3とする。レベル3においては、本部事務局の要請により全国のJHAT隊員に出動を要請し、災害時の支援活動を実施する。

2.JHAT隊員

1) 資格等
 透析医療に従事している、または従事した経歴を有する看護師及び臨床工学技士で、予めJHAT名簿に登録し、所定の講習を受けた者とする。
 JHAT隊員による災害時の支援活動は、自己完結型を基本とする。

2) 業務内容
 (1) 先遣隊
  発災直後より被災地に赴いて情報収集を実施し、以降の活動方針を決定するために被災地の状況を本部に伝達する役割を担う。派遣場所についてはJHAT本部より指定された地域を基本とする。
 (2) 業務支援
  被災した透析施設のスタッフに対し、肉体的・精神的な負担を軽減するために、主に透析業務の支援を実施する。派遣場所は、JHAT本部から指定された透析施設とする。
  被災の規模によって、JHAT隊員だけでは対応できない状況で、業務支援要員の増員を必要とした場合は、一般(透析医療に従事する看護師及び臨床工学技士)から募集する。
 (3) 支援物資供給コーディネート
  指定された支援物資供給センターに赴き、物資の仕分け及び配送をコーディネートする。
  仕分け作業要員(職種不問)については、支援物資供給センター近隣を中心に募集する。

3) 登録要件
 JHAT隊員に登録するための要件は、以下のとおりとする。ただし、JHAT本部が特別の事情があると認めた場合には、以下の要件にかかわらず登録を認めることができる。
 (1) 透析医療の実務経験年数が通算5年以上であること。
 (2) 医療施設、教育施設、企業などに所属している場合は、登録に関する所属長の承諾があること。
 (3) 医療活動中の補償のために責任賠償保険に加入していること。
 (4) JHAT隊員育成のための研修を受講していること。
 (5) JHAT本部が定める研修会に参加し、5年毎に参加証明書をJHAT本部に届け出る こと。
 (6) 上記の要件を満たしている場合でも、JHAT本部が不適格とみなした場合は登録を認めないことがある。

4) 活動時期と派遣期間
 (1) 被災地での活動時期は、約1ヶ月間を目安とし、隊員個別の派遣期間は原則として移動日を含めた7日間とする。
 (2) 活動期間が前項(1)を超える場合は、JHAT事務局会議において協議の上、期間延長の要否を決定する。

5) 活動経費
 支援活動にあたって必要な交通費・宿泊費については、帰還後、本部に領収書を添付した請求書(活動費申請書)を提出することにより、その該当額を支給する。

6) 事故補償
 JHAT本部が派遣調整を行う災害支援活動にあたっては、支援活動中(出発地と被災地との移動および宿泊中を含む。)の事故等に対応するため、天災担保特約付き国内旅行傷害保険等に加入する。(本部代行)

3. 災害発生時の対応

1) 情報収集の重要性
 災害時の支援においては、限られた人材及び物資等で最大限の効果を発揮しなければならないことから、ニーズを的確にアセスメントして進める必要がある。ニーズをアセスメントするために必要な情報を収集することは、災害時の支援を有効かつ効率的に実施するための前提であり、初動における最重要事項である。

2) 得られた情報の報告(レベル1,2,3)
 災害が発生した際、本部および情報担当者(情報コーディネーター)は、JHAT隊員(被災都道府県)と連携して災害の概況及び被災施設の状況について情報を集約し、医会joho-ML等に報告する。

3) 先遣隊の派(レベル2,3) 先遣隊の派(レベル2,3) 先遣隊の派(レベル2,3) 先遣隊の派(レベル2,3) 先遣隊の派(レベル2,3) 先遣隊の派(レベル2,3) 先遣隊の派(レベル2,3) 先遣隊の派(レベル2,3) 先遣隊の派(レベル2,3) 先遣隊の派(レベル2,3)  JHAT本部は得られた情報から先遣隊の派遣を発令する。先遣隊はすみやかに被災地へ入り、指示された地域または施設の状況を本部に伝達する。

4) 業務支援要員の派遣要請(レベル2,3)
 被災施設の担当者及び先遣隊が協議を行い、業務支援の派遣が望ましいと判断した場合は、必要な支援の内容(派遣者数・場所・期間等)を決定し、本部に派遣を要請する。また、先遣隊を介さずに被災施設が直接派遣要請を行うこともある。(支援要請書式1)

5) 業務支援希望者の募集と決定
 業務支援について、有事の際JHAT隊員に加えて別に支援が必要となる場合、関連団体のホームページ及びメーリングリストに支援者募集の案内を掲載する(業務支援応募書式1)  業務支援希望者は、病院長の許可を得て業務調整を終えた後、支援者募集に応募する。
 JHAT本部は、支援応募者の中から地域性や経験等を加味して支援者ならびに派遣先を決定し、支援者と直接調整する。

6) 支援物資供給センターの立ち上げ(レベル2,3)
 先遣隊の情報から物資の支援が必要とJHAT本部が判断した場合は、支援物資供給センターを立ち上げる。
 設置場所については、災害の状況により判断、決定する。
 支援物資供給センターは、JHAT本部が指定したJHAT隊員が運営する。
 仕分け作業要員募集については、可能な限り近隣から募集し、職種を問わない。

7) 業務支援者の準備およびサポート
 業務支援者は、被災先の状況を鑑みながら装備や食料を準備する。
 支援が決定した者は、交通機関や宿泊先の目途をつけ、JHAT本部に報告する(基本的にすべて自己完結であるが、宿泊についてはJHAT本部が確保して提供できる場合もある。)
 JHAT本部は、支援者の天災担保特約付き国内旅行傷害保険に加入する。(本部代行)

8) 支援状況の報告
 JHAT隊員は、定時報告として一日1回メール等で支援状況を本部に報告する。派遣期間が終了し、帰還後すみやかに派遣終了報告書をJHAT本部に提出する。

4. 平時におけるJHAT本部の役割

1) コア4団体及び行政等関係機関との連携強化
 都道府県災害時情報担当者および関係諸機関と平時より緊密に情報共有し、連携の強化に努める。

2) 災害教育の普及活動及びJHAT隊員の登録に向けての啓発
 より効果的な支援活動を実現するため、災害支援に求められる人材像や育成に必要な教育内容の検討を行うとともに、関連学会等を通じてJHATの活動や災害支援に対する啓発に努める。また、同時にJHAT隊員登録に向けて、その活動意義を啓発する。

3) 業務支援要員派遣調整及び物資供給についての訓練の実施
 各都道府県災害情報コーディネーター及びJHAT隊員を対象として、災害支援派遣調整及び物資供給についての訓練を年1回以上実施し、評価及び見直しを行う。

4) その他
 その他、災害時支援体制を円滑に整え、効果的な支援活動を行うために必要な事業を行う。

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